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第11回「3月のライオン」

3月のライオン


大人の為の漫画書評 第11回 今回とりあげるのは、「3月のライオン」

評価:

総合・・・・・・・5★★★★★ 大人としてなかなか楽しめる。

ストーリー・・・・4★★★★ 次々と起こる波風のバランスが良い。

絵・・・・・・・・3★★★ 感情が豊かでキャラは立っている。

キャラクター・・・5★★★★ 分かり易いし、感情が濃い 

世界観・・・・・・5★★★★★ 下町一家と将棋の世界。いじめ、不倫あり

出版社:白泉社  掲載誌:ヤングアニマル

備考:現在連載中  単行本10巻まで発行

アニメ放映予定あり

あらすじ:幼くして家族を事故でなくし、棋士に引き取られ、高校生で将棋のプロとなった少年桐山零が、下町の和菓子屋、川本3姉妹との交流を』通じて、人として、棋士として成長していくストーリー。

養父の家を出て流れ着いた街での川本3姉妹との出会い
15歳で将棋のプロ棋士になった少年・桐山零(きりやま れい)は、幼い頃に交通事故で家族を失い、父の友人である棋士、幸田に内弟子として引き取られた経歴を持つ。

六月町にて1人暮らしを始めた零は、1年遅れで高校に入学するが、周囲に溶け込めず校内で孤立し、将棋の対局においても結果を出せずに低迷する。

ある日先輩棋士に無理やり付き合わされたあげくに酔いつぶされ、倒れてこんでいたところを川本あかりに介抱されたことがきっかけで、橋向かいの三月町に住む川本家と出会い、夕食を共にするなど交流を持つようになる。

 

重い養父母の家族と、先輩棋士との交流

たびたび絡んでくる義姉の香子を巡る因縁を持つ棋士・後藤との獅子王戦トーナメントでの対決に零は気炎を上げるが、それを意識するあまりに己の分を見失い、格上であるA級棋士の島田をあなどっていたことを島田本人に見透かされ、諫められる。

その後、島田と後藤の対局を見た零は、ひとつ自分の殻を破り、島田の研究会に参加する。こうして様々な人々に関わることで、少しずつ零の心境に変化が生じていった。

 

川本家の次女ひなたに怒ったいじめと、そこから力を汲み取る桐山零

しばらくして、零は川本家の次女・ひなたがいじめ問題に巻き込まれたことを知る。いじめられていた同級生をかばったことで、今度は自身がいじめの標的になり、それでも自分がしたことは間違っていないと叫ぶひなたを見て、幼いころ抱えた心の傷から救われた零は、何があっても彼女を守ると誓う。

その後、ひなたのいじめ問題が一応の解決を見、大きく成長した零は新人王を獲得して、名人位のタイトルホルダーである宗谷との記念対局に臨み、そして勝負の世界の闇を垣間見る

 

騒乱の川本家の父親登場

川本家の祖父・相米二が不整脈で入院した直後に、家を出て行ったはずの3姉妹の実父・誠二郎が突然姿を現し、一緒に暮らそうと提案する。3姉妹の伯母・美咲から事情を聞いた桐山はSNSなどで情報を集め、誠二郎が3姉妹を家から追い出し、新たな妻子とともに移り住む心算であると知る。

誠二郎の目論みを阻止するため、零は騒動に介入して、おおいに奮闘する。

(Wiki https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%A1%E9%95%B7%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2 より一部抜粋 加筆)

 

書評:ほのぼのとした下町の3姉妹と、若手高校生棋士の交流という話の裏には、深い背景や情動がきっちりと描かれており、大人を満足させる1冊や!

家族を失い、棋士である養父に引き取られる。養家の子を差し置いて自分だけが棋士になる。そこに描かれるおそろしく冷たい世界

主人公の桐山零は幼いころ、事故で両親と妹を亡くす。そして棋士に引き取られ、桐山だけががプロ棋士になる。当然その家の子供たちは、冷静ではいられない。そういった桐山だけでなく、周りであがく人達がきっちりと描かれている。

 

のほほん川本一家と将棋の世界の対比 

ひょんな事から酔いつぶれた零が拾われた川本3姉妹は、下町の和菓子屋を祖父に持つ21歳、中学生、幼稚園児の3姉妹。この姉妹の普通っぷりが、逆に零が住む将棋の世界の厳しさとの対比として良く描かれている。逆に将棋の方が落ち着くと川本家の二女に壮絶ないじめの問題が起こるなど、事件が起こる重さの配置が絶妙。

 

 単純でない解決、深い背景

一見普通に見える川本家の二女ひなたも、いじめの際は壮絶な決意を語るかといえば、学校側のいじめの解決も、きれいな物では終わらない。 そのあたりがある種のリアリティーがある。 

さらに、その後登場する川本家の、不倫で一度家族から逃げたという3姉妹の父親のダメっぷりも凄い! 二つの家にまったく違う事をはなし、事体にかけらも直面しようとしない処はあっぱれ!それを桐山零が高校生ながら冷静にぶった切っていくのだが・・・その部も非常に読み応えがある。

 

重層的な世界

そのときどきで、何か事件が起こるのだが、安易な解決はなく、ある種の異常さ、アンバランスさを内包したまま話が進んでいく。 得てして現実の物事というのはそうかもしれない。 其の中で、純化したプロの競技としての将棋の話ちりばめられ、重層的かつ多彩な世界が垣間見える。

かといって、話が深刻というわけでもなく、さらりと読める。絵は上手いとは言わないが、感情表現が豊かで見やすい。話が「深い」が「重くない」という事で、入院とかしてる時に読むのには最適かも。

 

購入を希望される方は画像をクリック 左が書籍、右がKindle版)

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